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ドイツとその周辺の本の話 4
2012-03-23 Fri 21:09
誰にでも経験があると思うが、書店で棚の前に立ち、たとえば金井美恵子の本が欲しくて探すと、ほとんど必ず金原ひとみが目に入る。古井由吉を求めて古川日出男の新刊が目につくこともある。村上龍と村上春樹はいつも隣り合わせにあって、たまに混ざりあっていることもある。

なかには、性別で棚を分けたり、丸善のようにさらに年代ごとに分けたりするところもあるが、一般的には書店の棚は単に五十音順に整理されているから、巨匠と新人作家の本が居心地の悪そうに並べられていたりする。わずかほどしか作品のない作家の本は、限られた棚の中で、声の大きい作家に圧迫されて、そのうち、いつまでも棚に差さったままになっているのを店員に見つかって、出版社に返本されないよう、さらにその存在感を希薄にしていく。

ハンブルクの書店には、若手作家の作品を推すコーナーがある。別にヨーロッパ全体にそういう風潮があるわけでないようで、そういう棚を見かけたのはハンブルクでだけだったが、売場のなかでもかなり立地の良いところで展開されている。
そもそも、ハンブルクという港町はドイツ国内ではベルリンに次いで、なかなか若手の芸術家に手厚い街のひとつで、市内にはいくつか、絵や手工や音楽を志すが貧しい人たちが寄りあって生活する一角がある。その路地に行けば、極彩色に塗られた自転車や分解されたブラウン管のテレビを横目に、そういう若い人たちと直接話をすることができたり、作品を手にとって買うこともできる。とても刺激的なところだ。

そういうところで、私は一人のブラジル詩人と知り合った。Fabio Kerouac(ファビオ・ケルアック)という名前で、もちろんケルアックはかの文豪から拝借したそうだが、彼はポルトガル語で詩を書き、それをドイツ語で対訳して詩集を出版している。自身の詩の朗読パフォーマンスもおこなったりと非常に精力的に活動している。
加えて彼は大の日本好きで、これはずいぶんあとになって知ったことだが、奥さんは日本人で、驚いたことにお相手は、日独翻訳では著名な岩本順子さんだった。彼自身はたどたどしい日本語しか話すことができなかったが、偶然知り合ったブラジル詩人の奥さんが日本人だというのもなかなかに面白い偶然ではある。

Fabio Kerouacのインフォを更新している岩本順子さんのHP
http://www.junkoiwamoto.com/detail_poetry.php
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別窓 | 執筆者:関圭介 | コメント:0 | トラックバック:0 |
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